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本日 レストランひらまつにてシャトーペトリュスのオーナー、クリスチャン・ムエックス氏による1998年産ポムロールの試飲昼食会に参加。
(写真20)
開会のスピーチをするクリスチャン・ムエックス氏
私のテーブルのまん前は、ドミナスデイナー(7/10ペログビ日記で紹介)で仲良しになった(?)クリスチャン・ムエックス氏の長男エドワードさん(写真30)、おお、またお会いしましたね。ランチの前のテイスティングは完全なプロフェッショナル・スタイル(苦手)、嫌がおうにも緊張しますぜ。
ムエックス氏の心地の酔いフランス語をききながらテイスティングが進みます。おお、とれびあん。
テイスティングは8種類 全部ムエックスが所有するシャトーです。
コメントはクリスシャン・ムエックス氏(写真20)によるもの
1、Ch Moulin du Cadet 1998 St.Emilion
メルロー 80%、カベルネフラン20% 、赤い果実の風味、軽く華やかで輝きのある味わい まだ酸が強くもう少し熟成させたい
2、Ch Saint-Brice 1998 St.Emilion シャトーマグドレーヌのセカンドワイン
メルロー 100% 土を感じる、メルロー特有のフランボワーズの香り、肉厚、しなやか、もう開いている、チャーミング
3、Ch Magdelaine 1998 St.Emilion
メルロー 85%、 カベルネフラン 15% 赤い果実を煮詰めたジャム、複雑、最初はハツラツとして後から深い豊かさが現れる、あと5年は待ちたい
4、Ch La Grave a Pomerol 1998 Pomerol
メルロー 85%、 カベルネフラン 15% 強い熟した果実の香り、凝縮感、ハーモニー、若くてもおいしい、洗練された典型的ポムロールスタイル
5、Ch Le Gay 1998 Pomerol
メルロー 85%、 カベルネフラン 15% 花びらのような香り、土壌を感じる、肉厚、重厚、夏の暑さを感じる、しなやか、まだ若い、深みのある、樹齢の長い木の特徴がよく出ている
6、Ch Latour a Pomerol 1997 Pomerol
メルロー 70%、 カベルネフラン 30% 繊細で控えめ、まだ閉じている、デリケート、素晴らしい未来を感じる、はじめに官能的な喜び、深く肉厚、あとから知的な喜び、芸術、まえの5本のワインと明らかに異なる、偉大なワイン
7、Ch Lafleur 1998 Pomerol (写真23)
メルロー 50%、 カベルネフラン 50% 密度がある、控えめ、野に咲く春の花束、繊細、タンニンのしっかりとした、複雑、リッチ、偉大、もっと時間が必要、最高の味わいを持つカベルネフランの特徴がよく出ている
8、Ch Petrus 1998 Pomerol (写真25 情けない大魔王の顔)
メルロー 100% 見事なまでに密度のある、夏を感じる、なめし皮、トリュフ、ものの見事なまでに濃厚、見事なバランス、シルク、ビロード、なめらか、熟した果実、力強く、驚異的な複雑さと濃厚さ、しかもバランスよくコントロールされている、奇跡的
ふう、書いててため息がでてしまいます。とにかくラフルールとペトリュスはムエックス親子にとってもボトリングされたあとの1998年をあけるのは初めてとのことで興奮してしまいました。1998年はポムロール・サンテミリオンは奇跡的に大成功を収めたグレート・ヴィンテージといわれていますが、まさにそれを実感しました。春先の恵まれた気候と適度な降雨、夏の乾燥した暑さ、収穫期の好天、とパーフェクト。
対岸のメドック地区が収穫期に大雨に襲われてしまい平均以下の年となったのと対極の出来です。これだけのワインを一度にテースティングする機会はまれです。特に4と5のポムロールは極めて近い畑から、同じ造り手が同じブドウ品種で同じように造っても、これだけスタイルに違いが出ることにいまさらながら驚きます。ムエックス親子は盛んにテロワールの力といっていました。それにしてもペトリュスとラフルールの凄いことといったら...。
「私も今までにペトリュスは毎年のように若いヴィンテージを試飲する機会がありましたが、これほど若くても美味しく飲めるペトリュスは初めてです。」
って向かいのエドワードさんに言ったら
「全くそのとおりなんです。樽からボトルに入れる前にすでにもう美味しかったんです。こんなペトリュスは私たちにとっても初めてです。完璧なペトリュスです。」
とのことでした。
クリスチャン・ムエックス氏によれば、1998年は1988年よりも1989年よりも1990年よりも素晴らしいペトリュスで、恐らく2000年よりも良いだろうとのことでした。ふうっ...
ランチの前のひとときにクリスチャン氏と記念撮影。(写真31)
「ああ、カーヴドリラックスさん、息子から聞いています。銀座のそばにある素晴らしい品揃えのお店と聞いています。」
だって。ほんとか?エノテカと間違えてないか?と、思いながらも感激。クリスチャン氏はほんとうに紳士で、物腰が柔らかく、なにかほのぼのと暖かな雰囲気を持つ方です。背も高くてカッコイイ、すっかりファンになってしまいました。
で、ランチ。ちょっと変わった青汁のようなアミューズのあと、アーティーチョークのテリーヌ
フォアグラのモザイク仕立て(写真33)、続いて仔鳩のロースト エシャロットと赤ワインの血入りソース(写真34と35) 嗚呼、嗚呼、これが絶品!! もう、皮はパリパリで、お肉は香り高く、程よく柔らかく歯ごたえもあります。小骨が丁寧に除かれていて、血のソースがまったりと絡みます。あちこちからため息が漏れています。ああ、おいしい。それをラフルールとペトリュスでいただくんですよ、なんと罰当たりな。目の前にはオーナーの長男とは雨を飛ばすヘリコプターの裏話とか、セカンドワインの話とか、オーストラリアのワイナリの話とか、お金儲け専門のワイン屋さんの悪口やらですっかり盛り上がりました。あ、そうそう、デザートの桃のコンポートも絶品でした。ひらまつ恐るべし、うーん、まんだむ。
夜は銀座の話題の和風のお店で、某M社の方々と会食(画像なし)。本日はダブルヘッダーです。マーカムのグラスマウンテン・カベルネソーヴィニヨン1997とシャトーレイソン1997をいただきました。M社がそれぞれカリフォルニアとボルドーで経営するワイナリー。こちらもおいしゅうございました。
注)文中の(写真**)の番号と下の写真の番号と見比べてご想像ください・・・・・
ない番号もあります??・・すんません<天の声>
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