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突然、オーストラリアの超名門、ヤルンバのマネージング・ダイレクター、ブレントン・フライさんがご来店。わおー!びっくり。5分後に寄るからって、アータ。一年前パーティーの席で二言、三言お話したことがありましたが、虎ノ門の店に来てもらうのは初めてです。輸出部長のスコットさんとご一緒にいらっしゃいました。

(写真、向かって右がフライさん)ラッキーなことにヤルンバの幅広いレンジを扱わせていただけることになりました。楽しみです。ヤルンバといえば、アータ、親も同然????

1本目 デュロック プイィフュメ 1999 ¥1480
当店大人気のミュスカデを造るデュロック協同組合のプイィフュメです。こう暑いとどうしても手が出るワイン、このプイィフュメはちょっとクセのあるスタイル。味にセルロイドのような引っ掛かりがある例のスタイルです。飲み手によって好みが分かれるけど、果実味もたっぷりの良いでき、濃厚なプイィフュメです。

2本目 テラヴィティス コートドローヌ ルージュ 2000 ¥980 新入荷
やったー!!!! ばんざーい!!!! これ、実はスゴーク心配だったんです。3ヶ月ほど前にワイナリーと人がつながりサンプルを飲んでとっても気に入ったワインでした。あまーい果実味がたっぷりとあがるスタイルでした。で、100ケースほど購入したのですが、通関の段階でギョっとしました。酸化防止剤として通常使用するSO2(二酸化イオウ)が成分分析表で記入されてないんです。たまにあるんです。記入漏れが...。
でもこれ記入してないと通関できません。ワイナリーに問い合わせると、ワインメーカーのジャン・フランシス・ニック君は「ぼくはSO2は使わないんだ。」とのこと。えー!? SO2無添加ワインなの、これ?私、実はSO2無添加ワインにはあまりいい印象をもっていませんでした。たまにあるんですよ。いいワインも。でも値段がどうしても高くなるし、中には酸化防止剤を使わないために文字通り酸化しちゃったワインも結構市場に流通しています。
今日はちょっと長い話になりますが、馬鹿とSO2は使いようと言われている通り(?)SO2は適切に使えば発酵段階でほとんど飛んでしまうのでワインには残存しません。むしろ果実を健全に守るために必要不可欠なものと思っています。PH管理をしっかり行ったごく少量のSO2の使用はワインの醸造にとって必要不可欠な行程です。大昔はブドウを入れる前に発酵槽の中で硫黄を燃やしてSO2を発生させていたそうです。
問題なのは醸造段階ではなく出来上がったワインにSO2を添加したもの。甘口ワインや安物白ワインに良く見られます。グラスに注いだ1杯目に、モワっとマッチのすりかすのような臭いが鼻をつくのですぐにわかります。こういうワインを私は買いません。そういうワイン、最近は随分少なくなりましたけどね。あと、無添加ワインにあまりいい印象をもってないのは、無添加と言えばよく売れるからといったマーケティング指向からできちゃった粗悪なワインも多いからなんです。ひどいのになると、いったんSO2を大量に使用してつくったワインを脱亜硫酸酵素をもちいてSO2を抜き取り、無添加ワインを名乗ってるなんていうのも実際にあります。SO2といっしょに味もなくなっているようなワイン、とても飲めません。
前をおきが長くなりました。テラヴィティスというのはこのワイナリーが指向する自然農法のことをいうそうです。英語にすると Land of Wine、地球のワインと言う意味だそうです。
ニック君は「健全に育てた力強いブドウを丁寧に仕込めばSO2は必要ないんだ」とケロリとしてます。

写真はSO2を使用してない証明書を送って欲しいと頼んだところ、届いた彼の手書きのFAXです。なんとも素朴な感じが伝わってきますね。私、これ見て思わず笑っちゃいました。でも、笑ってばかりもいられない。100ケースも買ってしまった。サンプルはおいしかったけど、船旅に耐えられるんだろうか?しかも、いっくら温度管理をしていると言っても、荷揚げはこの真夏に行います。通常7月、8月はワインの輸入はお休みしてるんですが、この船、ちょっと出港が遅れてしまい6月末に到着、ここにきての異常高温での通関作業と不安の種はつきませんでした。
で、 ばんざーい!!!見事に健全です。 全然OKです。じぇんじぇんOKです。サンプルと同じです。おいしいです。
すごーくおいしいです。平均樹齢25年のグルナッシュ、サンソーを主体としたブレンドですが、ちょっとピノノワールに印象が似ています。あっ、そうそう。スゴーク上等なピノノワールに良く似たガメイにも似ています。すごーく上等なガメイに似たピノノワールにも似ています。甘いジャムのような果実の凝縮感、口に含むと思ったより軽くサラっとしています。
うーん、これは、
まんだむ、まんだむ、まんだむ
久々のまんだむ3つです。みなさんに押し売りしたいワインです、これ。980円はじぇえったいにお買い得!あっ、濃厚なスタイルではありませんので、ニューワールドみたいな押しの強さはありませんので、そっち方面の期待はしないでください。軽いワインです。ライト、ライト、ね。それと迷ったのですが裏ラベルには酸化防止剤使用といつものように記入しました。これ書かないと成分検査だの、なんだのと通関の際に余計な時間と費用がかかる恐れがあるんです。ね、そんなのつまんないでしょ。
さあ、
しばらく私うるさいですよ。無添加、テラヴィティス、無添加、テラヴィティスとウンチク喋りまくりでしょう。スタッフの諸君、覚悟しておきたまえ。えっ?いつでも喋りまくりで充分うるさいからもう慣れてますっ...てか?